科学と発見

古代タンパク質の分析で、中国南西部の希少なデニソワ人化石を特定

中国南西部のビエンフー洞窟で、古代タンパク質の分析によって希少なデニソワ人の遺骨が特定された。大量の骨片が、現生人類の古代の近縁集団に関する最も明確な考古学的記録の一つへと姿を変えた。研究者らは6万点を超える骨片を調べ、残存するアミノ酸のパターンから、頭蓋骨片2点、橈骨の一部、歯2本をデニソワ人のものと特定した。さらに、より脆い歯2本も解剖学的特徴からデニソワ人のものと判断された。

3個体に由来する計7点の化石は、16万7,000〜13万4,000年前のものとされる。古代DNAは残っていなかった。タンパク質の方が長く残り、雲南省の温暖な気候がDNAの分解を速めるためとみられる。この橈骨は、デニソワ人の前腕骨として初めて確認されたものだ。一部にネアンデルタール人に似た特徴がある一方、全体的な形状は現生人類に近く、いまだ不完全なデニソワ人の身体像に新たな手がかりを加えている。

化石の周囲からは、約1,300点の石器類のほか、骨製の道具や数千点の動物遺骸が出土した。切断痕や砕かれた骨は、洞窟の住人がシカ、スイギュウ、ガウルなどの大型動物を解体し、肉や骨髄を得ていたことを示す。花粉からは、周辺に針葉樹林や森林ステップが広がっていたことがうかがえる。より深い地層に含まれる石器は、約19万〜7万年前に、この場所で人類が繰り返し活動していたことを記録している。

デニソワ人は2010年にDNAによって初めて確認されたが、その数少ない化石には、通常、これほど豊かな背景情報が伴っていなかった。ビエンフー洞窟は今、身体、道具、食料、生息環境を一つの場所で結びつけている。

出典

  1. EL MUNDOUna cueva de China reescribe la historia de los misteriosos denisovanos: cazaban grandes animales y se parecían más a nosotros de lo que creíamos
  2. LaVanguardiaNuevos fósiles aclaran quiénes eran y cómo vivían los denisovanos hace 150.000 años
  3. NatureWho were the Denisovans? Rich trove of fossils and tools paints new picture
  4. CNN InternationalFossil remains unearthed in China offer new clues about how Denisovans lived
  5. livescience.comEnigmatic Denisovans lived by cave in what is now China for 100,000 years, rare fossils and handcrafted tools reveal

取材・検証メモ

この記事の情報源

Nature study on ancient-protein identification of the Bianfu Denisovan remains

EL MUNDO、La Vanguardia、Nature、CNN International、Live Scienceはいずれも、タンパク質に基づく化石の特定結果をNature掲載の研究に明確に帰属させ、取材や専門家による解説で補足している。

Nature study on Bianfu Denisovans and their subsistence strategies

選定された5媒体はいずれも、ビエンフー洞窟の道具、動物遺骸、居住の変遷、デニソワ人の食料獲得行動を扱ったNature掲載の2本目の研究を明示的に取り上げている。