科学と発見

一瞬の電波閃光を100億年以上前の銀河まで追跡

天文学者らは、ミリ秒単位の短い電波の閃光の発生源を、100億年以上前の小さな銀河に突き止めた。母銀河が特定された高速電波バーストとしては、これまでで最も遠いものだ。

南アフリカのMeerKAT電波望遠鏡が2024年に信号を検出したが、発生源を見つけるには別の種類の観測装置が必要だった。地上の大型望遠鏡では、その暗い銀河を見ることができなかった。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が銀河を捉え、その光を測定した結果、バーストは宇宙誕生から約30億年後、太陽も地球も存在するはるか以前に発生したことが分かった。研究結果はScienceに掲載されている。

この小さな銀河では星が活発に形成されており、強力な閃光を生み出すものが何なのかを探る手掛かりとなる。その若さは、提案されている説明の一つと整合する。一部のバーストは、極めて強い磁場を持つ高密度の恒星の残骸、マグネターから発生している可能性がある。ただし、今回のバーストの原因は依然として不明だ。

その謎を解明できなくても、天文学者は信号を使い、通過してきた宇宙空間を調べることができる。電荷を帯びた物質は、電波の周波数ごとに異なる遅延を生じさせるため、バーストが経路上でどれほどの物質に遭遇したかが分かる。

これほど遠い距離のバーストをさらに発見できれば、研究者が直接観測することの難しい物質の分布図を作り、宇宙の進化に伴ってその分布がどのように変わったかを理解する助けとなる可能性がある。

出典

  1. The GuardianAstronomers detect mysterious burst of energy from a galaxy far, far away
  2. The ConversationAstronomers pinpoint the origin of a 10 billion-year-old millisecond signal from space
  3. EurekAlert!Sydney astronomers pinpoint the most distant fast radio burst ever detected
  4. Australian Broadcasting CorporationIt took 10 billion years for this signal from the early universe to reach us

取材・検証メモ

この記事の情報源

Science

The GuardianとAustralian Broadcasting Corporationは、Scienceに掲載された研究であることを明示している。The Conversationは、Scienceに掲載された新たな研究を「私たちのチーム」が行ったと記し、チームの観測過程を当事者の立場から説明している。

Science → University of Sydney

EurekAlert!は、シドニー大学のインタビューおよび報道問い合わせの連絡先、大学によるコメント、Scienceの研究論文の完全な書誌情報を掲載しており、研究から大学の発表に至る流れが確認できる。