
科学と発見
脳オルガノイド、実験室で5年以上にわたり成長・成熟
研究者らは、ヒトの大脳皮質オルガノイドを実験室で5年以上維持し、その間、細胞がヒトの脳に似た時間軸で発達を続けることを確認した。これらは単純化した組織モデルであり、完全な脳ではない。こうしたモデルの多くは数カ月以内に劣化が始まり、主に初期の発達を再現する。研究チームは34個のオルガノイドを分析し、最初の18カ月は3~6カ月ごと、その後は毎年、分子レベルの変化を追跡した。
培養15日から2カ月のオルガノイドにおける遺伝子発現の変化は、妊娠初期の胎児の脳に似ており、3~6カ月では妊娠中期のパターンと一致した。1年後には新生児に相当するパターンとなり、5年経過したオルガノイドは、典型的な4歳児の大脳皮質に似た活動を示した。培養組織には、髄鞘形成を含む、細胞種に特有の加齢に伴う兆候も現れた。
細胞を混合する実験では、細胞が発達上の年齢を保持することを示すさらなる根拠が得られた。培養9~12カ月のオルガノイドの細胞を、培養開始からわずか15日の細胞と一緒にすると、初期の発達プログラムに戻ることなく、後期段階のニューロンを作り続けた。この長期間維持できるモデルは、自閉症やてんかんなどの疾患が発達の後期にどのように現れるかを調べ、治療候補を試すのに役立つ可能性がある。ただし、培養には依然として多額の費用と労力がかかる。