
技術と革新
Claude、難解な物理計算を数日で前進させる
Anthropicによると、同社のAIであるClaudeが、難解な素粒子物理学の計算を8「ループ」から9「ループ」へと進め、人間による監督をほとんど受けずに数日で作業を完了した。
計算の対象は、粒子がどのように相互作用するかを予測する数学的な道具である散乱振幅だ。ループが一つ増えるたびに補正の層が加わり、計算は一段と難しくなる。今回の問題では、現実世界を直接記述するためではなく、手法の開発と検証に使われる簡略化された理論モデルの中で、6個の粒子を扱った。
Claudeは、物理学者ランス・ディクソン氏と共同研究者が開発した手法を使い、既知の物理法則を適用して答えの候補を絞り込んだ。異なる二つの経路で計算を完了し、結果は一致した。利用者が負担する費用は、それぞれの経路で1,000~2,000米ドルと見積もられた。
SLAC国立加速器研究所とスタンフォード大学に所属するディクソン氏が、結果を独立に検証した。同氏のチームは、それまでの到達点だった8ループ計算を達成していた。計算ファイルも、他の人が検証できるよう公開されている。
この成果は、新たな物理法則の発見ではない。人間による長年の研究を土台とする複雑な研究工程を、AIシステムが遂行できたことを示している。手法には、さらに幅広い独立した検証が必要であり、この成功が現実世界の物理を記述する計算にどこまで広がるかは、なお不確かだ。