
科学と発見
大規模な水素観測、星形成の減速に新たな手がかり
天文学者らが、過去45億年間に中性原子水素がどのように変化したかを新たな精度で測定し、銀河にとって重要なこのガスの蓄えの減少は、星形成そのものの減速よりはるかに緩やかだったことを明らかにした。
国際研究チームは、FASTとして知られる口径500メートル球面電波望遠鏡の観測と、ダークエネルギー分光観測装置による銀河データを組み合わせた。分析対象は、全天のおよそ3分の1に広がる約250万個の銀河だった。各銀河の水素が発する波長21センチメートルの信号は微弱で個別には検出できないため、研究者らは距離に関連する指標である赤方偏移に基づいて信号をそろえ、重ね合わせることで、ノイズから平均的な信号を抽出した。
結果によると、45億年前の宇宙の星形成率は現在の約2.5倍だった一方、中性水素の密度は約1.4倍にすぎなかった。この違いは、星形成が減った主な理由を中性水素の急速な枯渇に求める単純な説明に疑問を投げかける。
むしろ、この研究はガスの変換過程が減速した可能性を示している。星は中性原子水素から直接生まれるのではなく、密度の高い分子雲の中で形成される。大規模なガス供給が弱まり、ガスの密度が低下するにつれ、中性水素から分子状水素への変換効率が落ちた可能性がある。Nature Astronomyに掲載されたこの成果は、銀河がどのように成熟し、宇宙で生まれる星がなぜ徐々に減っているのかを研究するための、新たな観測上の基準を提供する。