
技術と革新
スーパーコンピューターなしで、AIが暴風雨予測を改善
ブラジルのサンパウロ大学で開発されたAIツールが、試験で短時間先の暴風雨予測を改善し、従来の手法に比べて誤警報を70%近く減らした。TITAN-LSTMと呼ばれるこのツールは、最大30分先までの暴風雨の進路、降雨域、降雨強度を予測し、5分ごとに更新する。
このツールは、実績のあるレーダー追跡ソフトウェアと、暴風雨の時間的な変化を学習するAIを組み合わせている。レーダー画像全体を処理するのではなく、規模、速度、降雨強度など、個々の暴風雨を数値で表したデータを使う。計算負荷が軽いため、一般的なノートパソコンで動作する。
研究者らは、2016年から2019年にかけてサンパウロ近郊で収集されたレーダー観測データを使用した。追跡した3万2,000件以上の暴風雨から、発達の全過程を追えた439件を選び、307件をAIの学習に使い、132件を別に確保して試験に用いた。成果はJournal of Geophysical Research: Machine Learning and Computationに掲載された。
重要な制約もある。現在、このツールが扱えるのは、ほかの暴風雨と合流せず、分裂もしないものだけで、予測する時間が先になるほど不確実性が増す。研究チームは、より複雑な暴風雨への対応を進めており、防災警報を担当する機関に予測を提供することを目指して、ほかのレーダーにもシステムを適用したいと考えている。